リビラビ! 代表 岡本篤佳

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今回のFAAVOインタビューでは、地方活性のキーマンをFAAVOが独自に取材し、ご紹介いたします!栄えある第一回の取材対象者は、『地方と都市の新たな関係を
発見・蓄積・啓蒙すること』を活動目的に掲げるリビラビ!代表の岡本 篤佳さんです!

岡本篤佳(おかもと あつよし)と申します。
総合不動産デベロッパーという仕事に就いており、そこでは土地を仕入れて来て、そこに何を建てるかを考えて、建てる業務が主です。今は、オフィスリーシングと言う業務も行っており、完成した建物にどのようなお客さんに入ってもらうかを考えて営業することが現在の仕事です。不動産業者ではありますが、同時に自分の仕事は街づくりである、と捉えて就いています。
その土地に1つの建物、極が出来ることで、その周辺にどのような影響が与えられるかを慎重に考えながらいつも仕事をしていますね。

リビラビ!の活動は「インタビュー」が主です。60分間のインタビューを通じて、取材対象者が都市と地方を結びつける為にどのような活動を行っているかを話してもらっています。取材は、東京に住みながら地元が好きで、地元をどうにかしたいという想いから自分の時間を精一杯使っている人たちへいつもお願いしています。意識的に聞かせて頂いていることは「活動にかける想い」「創出している価値」「活動を成立させるノウハウ」「これからの活動に対する考え」などでしょうか。


▲プラサス代表中川氏と浅野氏を取材中の時の様子。

いえ、皆それぞれ違う職場に就いています。
他スタッフは3人いまして、1人はツクルバの中村真広。彼は過去に不動産会社、ミュージアムデザイナーを経験したあと、co-baというシェアードワークプレイスを立ち上げて、空間とコミュニティの設計活動を行っています。最初に、リビラビ!を立ち上げたのが僕と中村ですね。他には、別の会社に勤めている山本祐司。もともとはITベンチャーでwebマーケティングをしていたのですが、そこで地方へweb活用セミナー講師を依頼されたことがきっかけで、じゃらんリサーチセンターという地域プロデュース組織に移り、今は地域行政と共に地域の魅力を掘り起こしてICTを活用した集客支援を行う仕事をしています。
日本のIT化は世界的にも遅く、地方に至ってはほとんど着手されていない状態なので、すごく良い仕事だと思います。
最後の1人は横須賀幸子。今は茨城に戻っていますが、それまではマンションギャラリーのプランナーとして仕事をしていました。今は、茨城で実家の不動産を継ぎながら精力的にフォトグラファーとしての活動を行っています。


▲リビラビ!メンバー。左から岡本さん、岩崎さん、山本さん、中村さん、横須賀さん。

僕が大学院1年生の時、韓国で展示企画ettedaを代表として実施したのですが、中村、横須賀とはそこで出会いましたね。展示企画も今年で6年目を迎えられ、現在では、韓国と日本両国で巡回展を行うまでに発展しています。

彼とは、中村、横須賀を通じて、早稲田の02cafeというところへ訪れたことがあるのですが、そのカフェのオーナーだったんです。彼もすごくて、群馬県桐生市出身なのですが、そこで撮影された「からっぽ」という映画を地元で上映するために、市や観光協会、商店会、事業者など様々な方と1年以上かけて一から協力関係を築き、結果として無事市民ホールで満員上映を果たしたというパワフルな経歴の持ち主。

中村と韓国の展示会で5日間同じところにいたのですが、そうなると仲も自然とよくなり…。展示会が終わった後も、いつか一緒に何かやりたいねと話をしていたところ、向こうが会社を辞めるタイミングで始めようかとなったのが最初の出来事でしょうか。で、他にも誰か誘おうよとなり、結果的に今の4人が集まりました。

リビラビ!はそもそも任意団体なので、各メンバーが自由な時間内に精一杯活動を行う、というのが基本的なスタンスです。実際、そこには拘束力が一切存在していないので、難しい面ももちろんあります。以前は役割の割り振りをし、活動を行おうとした時もありましたが、取材において最も大変なライターの仕事のスケジュールがどうしてもルーズになってしまい上手くはいきませんでした。現在では、基本的に僕が責任を持って声をかけ活動を行うように変化してきています。

企画書自体は僕が最初に作りました。上がったものをメンバーへ見せ、添削してもらい今の形が出来上がりましたね。僕のもともとの得意分野は企画系だったので、リビラビ!でもそれを実践しようと思っています。

僕の話になるのですが、昔から、僕自身の中に地元、地方を何とかしたいという気持ちがずっとありました。東京は盛り上がっているけど地方は…という感覚をお持ちの方も多いかもしれません。今一番困っているのは地方の街だということは大学のころから地方を見て回ったことを通じてもよく理解していました。それを知ったうえで見て見ぬ振りをするのはあまりにも責任感が無さすぎるのではと思ったのです。「今」を切り取ってみれば、その地方の衰退状態が日本の一番の傷口なのに、それを放っておいて、都会で一番美味しいところで甘い汁だけを吸うのはよくない、と。同時に、今の時代だとITを使えば情報発信は個々人でも簡単に出来るようになっている状態に後押しされ、会社に属しながら地方を何とか出来ないか考え続けたいと思い、今のリビラビ!の形が出来上がりました。

大学で所属していた都市環境システム学科での教育が理由かもしれません。
そこでは、地方に衰退化した商店街があると仮定した上で、なぜ衰退化したのか、どのような解決方法が考えられるか、といった議題を行政、民間、住民の立場からロールプレイングを通じてトレーニングするといった教育がありました。
大学時代では、地域に特有の課題を見出し、それを解決するアイディア出しをひたすら考えるということをしていたんです。
大学時代に得た着想を生涯活用するのであれば、実際に自分の知っている社会の抱える問題事へ使えればよいのでは?と思ったのです。

そうですね。例えば中村ですが、彼はよく「ドヤ顔のデザイン」という例えを出します。それは、出来上がったデザインをデザイナーが「どやっ」「使えやっ」という態度で消費者に提示するのではなく、デザインを0から消費者と一緒に作っていく過程を通じて、デザインそのものに愛着を持ってもらい、継続的に使ってもらうというプロセスを大切にしたいと考えているんですね。
僕もそれはとても共感しています。
僕の場合だと例えば地方でモノを作るとなった時に、自分がその場へ入り込み人を巻き込み、気持ちを1点に集中させて作り、完成したモノが継続的に使われることが商店街の衰退化を防ぐプロセス、ある種のデザインの1つだと思っていました。
また、僕だけでなく他のメンバーの頭の中にも、そのような共通認識がありました。これは本当に不思議なのですが。

僕たちは基本的にみんな企業人なので自分の好き勝手やることはできないのです。ただ、これからの活動を含めステップアップを考えた時、普段会えない人に会いたいな、という気持ちが皆へ共通して浮かんだのだと思います。
また、普段会えない人に会うためには自分がメッセージ性のあるものを持ってないといけないということも考えました。

そうですね。
現在、非常にセグメンテーションされた時代なので、マルチプレイヤーになるよりも何かを突き詰めた方がよいと思いました。○○と言えば誰々、というように、ですね。


▲リビラビ!が2回目にインタビューを行った青江さんと神谷町オープンテラスにて。

誤解を恐れず言うのであれば、現在街づくりに関わるプレイヤーたちを三角形の中に位置づけるとします。そうすると、上に行政や民間デベロッパー、中段に大手ゼネコンや中堅ゼネコン、建築家やグラフィックやWEBのデザイナー、そして、すそ野に草の根的な活動家であったりNPOが位置づけられます。特に民間デベロッパーは、こういう場を作ったので入りたい人はどうぞ、というトップダウン方式を選択します。一方でNPOは実際に利用しているユーザーから上がってくる意見を元にボトムアップ方式をとることが多いはずです。僕が今務めている会社では、トップダウン方式ですね。ですが、僕が理想とする街づくりを実現するためには、その両方の視点が無ければならないと学生の頃から強く感じていました。トップダウン方式を選択できる組織に所属するには、大学生の就職活動の段階でなければ難しいと感じたので、デベロッパーに就職しました。現段階では、職場での経験を積みながら、両視点から街づくりを見て、考えて行動し、モノ作りだけでなくコト作りをしていきたい。最終的には地方の困っている街を練り歩いて、問題点を解決しながら地方全体を元気に変えてゆけるだけの力を身につけたいと思っています。今は、その実現に向けた反復運動を繰り返している段階です。実際、最終的にどこへいきつくかは僕自身わからないところもあります。

今は知見を集めている段階ですね。特に、成功事例、失敗事例を集めています。取材を通じて学んだノウハウをいつか、実際の場に落とし込んでみたいとは考えています。リビラビ!のメンバーには不動産、空間づくり、プランナー、webマーケティングの専門家が揃っているので、みんなの力があわさることでその地方特有の愛着ある活動プラットフォームが生まれ、発展してゆくのが理想的な発展の形です。

学生の時に、「コンパクトシティ」という都市計画が現在実施されているということを知りました。平成の大合併という市町村の合併が起こりましたよね。あれは行政単位を大きくして、今までは様々なところに少しずつ振り分けられていた補助金を、大きな行政単位に集約することで、改めてどこに資金・お金を集中させるかを考え直すことができるという効果があります。いわゆる「選択と集中」のことですが、行政合併して大きな自治体となった上で、手厚い行政サービスをするところを“選択”し、そこに継続的に力を“集中”投下するのだということです。言い換えればそれ以外のところにはあまり手をかけられないと。もしサービスを受けたければ、サービスを集中している場所に移り住んでくれた方が豊かに生活できますよ、ちょっと投げやりにいうとそういうことだと思います。ともすれば、今後20~30年で人が消えて、いずれ「地方が消える」という現象が起こってきてしまうのではないか、と僕は考えています。

日本は高齢化社会かつ成熟都市なので、人口が爆発的に増えないという点においてそう捉えることが出来ると僕は思います。「シュリンキングシティ=縮小化する都市」という考え方があります。縮小してゆく中において、どのような豊かさを見出してゆけるか、という転換期を街自体が迎えているのではないでしょうか。それらのことを考えている人は行政や民間デベロッパー、NPOの活動家の方には多くいるのですが、現実問題なかなか市民レベルまでは落ちてゆかないところがありますね。ですが、実際そういったことを知り、考え、活動を行っている僕らだからこそ、何かしなければならない今、何かをせずにはいられない、といった責任感は感じています。
学生の時に学んだことが、今の活動に繋がっている実感は常にありますね。

ひとまずは、地域活性化活動をビジネスとして行っている人たちへ会いに行きたいですね。現状では、地元のための活動は奉仕的な活動が多く、任意団体やボランティア団体でなければ続け難いところがあると思うからです。そのような状況の中で、ビジネスとして動けているかどうかは今後取材対象者を考えるうえでの判断基準の1つにもなるかもしれません。

ちなみに最近、株式会社まちづくりという団体が出来始めているんです。滋賀県の株式会社黒壁というところでは、歴史的な建造物をアートギャラリーや音楽ホールとして活用したり、イベント企画をするなどをしているのに、株主から資金を集めて街づくりを行っているんです。自分自身の街づくりの活動も関しても、ゆくゆくはそういった方向へ展開する可能性もありますが、今はまだ知識が足らないので、あくまでも一選択肢として認識している状態です。今は随時、そういった街づくりに関するリサーチを行っているところですね。

最近、僕が興味を持っているのは東京秋葉原で、林業を盛り上げるための活動を行っている「株式会社トビムシ」という人たちですね。

色々な活動を行っているからこそ難しいですが、まずは、リビラビ!のサイトで20人、地域活性化活動を行っている人を紹介したいと考えています。そういった人たちを1つのサイトに集めることで、僕だけでなく、他の地域活性化活動を行っている人たちの知見も一緒に広げられたらと思いますね。当初の予定は1ヵ月2人、3年で100人取材して、その後電子書籍化するんだ!という理想はありましたが、各々のメインの仕事も忙しくなってしまっているのが現状でもありまして。取材数を増やしたい、というのと、もう少しリビラビ!の仲間も増やしたいですかね。笑

岡本さんは豊臣秀吉、織田信長、徳川家康並みに手相がよいとのこと。
時代に痕跡を残したいという野望を抱え、今後、リビラビ!がどのような発展を遂げてゆくか楽しみに応援致します! ありがとうございました!

【リビラビ!HP】http://livlov.jp/
【リビラビ!Twitter】https://twitter.com/#!/livlov_jp

【岡本篤佳 Twitter】https://twitter.com/#!/atsuiseb

取材・文 齋藤 写真・松岡

『リビラビ! 代表 岡本篤佳』へのコメント

  1. 名前:リビラビ! » FAAVOさんからの逆インタビュー 投稿日:2012/08/09(木) 12:13:34 ID:34ce809c1 返信

    […] 岡本さん ~http://magazine.faavo.jp/archives/1502 […]

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